童謡「めだかの学校」は 小田原生まれ。
終戦から6年後の1951年、NHKのラジオ番組「幼児の時間」で発表されたこの歌は、茶木滋:作詞/中田喜直:作曲。安西愛子歌うレコードも発売されました。
平和をかみしめる喜びと、「誰が生徒か、先生か」という歌詞に象徴されるように教育勅語から解放の自由の気分を感じさせ、多くの人に愛されました。1954年には文部省芸術選奨文部大臣賞を受賞、また2007年には文化庁制定の「日本の歌百選」にも選ばれています。作詞家の茶木滋が小田原の荻窪用水を通りかかったときにメダカの群れを見つけ、その時の息子との会話を思い起こして詞を書いたとされています。
1988年には荻窪用水路脇に「めだかの学校」の歌碑が建てられました。また、現在、野生メダカが生息する桑原地区には、地元の篤志家により建てられた新しい碑を見ることもできます。
「関東・水と緑の ネットワーク拠点百選」
日本生態系協会と関東地域づくり協会が主催する「関東・水と緑のネットワーク拠点百選」に「野生メダカの里・おだわら」が第83番目の拠点として選定されました。(2014年)会が発足してわずか1年のことでした。
市の条例による保護区の設定、および当会を含めた諸グループの生物多様性や生態系の保全を目的とした現地活動や学習活動が評価されました。これはその後の私たちの活動に大きな励みとなりました。
HSBC・ウオーターアワードの受賞
国際的な金融・銀行グループのHSBCグループは、2012年より5年間1億米ドル規模のHSBC Water Programmeという水資源に関する支援活動を全世界で展開していますが、日本でも水にかかわる環境保全活動への支援が行なわれ、2014年からは神奈川県全域での、特に淡水資源に関する活動に注目し、「めだかサポーターの会」の、メダカを中心とした、湧水に富む小田原桑原・鬼柳地区の環境保全活動が受賞対象となりました。
SAVE JAPANプロジェクト 2015
「いきものが住みやすい環境づくり」の視点から、環境保護活動を行うグループを47都道府県ごとに毎年1件選定し支援するプロジェクトです。2015年神奈川県では「めだかサポーターの会」が選ばれ、メダカ生息地域での環境保全イベントを2回共催しました。200人を超える参加者の皆さんが、アメリカザリガニの捕獲や環境保全活動に力を貸してくれました。
共通の目的を持つ市民グループとも情報交換して、協働します。
メダカを守ろう、自然を守ろうという同じ思いの市民グループが桑原には当会のほか4つあります。休耕田を生き物生息地拡大のためにビオトープ化したり田植えや稲刈りに協力体制を組んだり、協働して汗を流す仲間たちです。
●酒匂川水系のメダカと生息地を守る会(2001年〜)
遺伝子や分布調査に取り組み、メダカを始めとする生物調査を定期的に行っています。
●桑原めだか米の会(2001年〜)
農家の経済性を考慮した価格で買取り、自主流通でめだか米として販売しています。
●たんぼの恵を感じる会(2002年〜)
「農」の大切さを伝えるために、稲作体験の機会を市民の皆さんに提供しています。
●一般社団法人 おだわら農人めだかの郷(2013年〜)
休耕田の耕作を引き受け、うるち米・酒米を生態系保全型農業で生産をしています。
県の生物多様性ホットスポットに選ばれています。
2015年に神奈川県自然保護協会により、県内191か所が選定されました。
箱根や丹沢、三浦半島など明らかに自然に恵まれているところが半数以上を占めるなかで、市街地に近い酒匂川左岸の桑原・鬼柳地区が選ばれたのも野生めだかが生息するだけでなく、豊かな生態系が残されてきたからです。
大きな富士山も望むことができる田園地帯で、水路の脇の草むらにはカルガモも安心して揺籃しています。
田んぼとの関わりが深まっています。
「おだわら農人めだかの郷」や「桑原めだか米の会」の皆さんに協力しながら、田んぼとのお付き合いを深めています。稲刈り後の稲わらで大きな「わらの家」をみんなで作ったり、稲刈りに協力した酒米の日本酒づくりの体験したり、その日本酒の名前を考えたり、メダカが本当に私たちの暮らしにさまざまな楽しみをプレゼントしてくれています。